ごはん写真をAIで動画にしてリールに上げたくても、動かした途端にとんかつの切り方が変わっていたら、その日に食べたごはんとは言えませんよね。同じとんかつ定食の写真をGemini、Seedance 2.0と2.5、Grokの4つの動画生成AIに渡して、リールに使える完成度だったのはどれかと、料理を変えずに湯気だけを動かす依頼文を確かめました。「おいしそうに動かして。」と一言で頼むと、4つのうち2つは箸が出てきて、とんかつを1切れ持ち上げています。
4つのAIに同じごはん写真を渡したら、箸が出てきた
材料は、前回、影がかかって見るからにだめと言ったあの1枚です。今回はこれを動かします。
動画にする前の元の写真です。AIには、縦動画に合わせて9:16に切り抜いたものを渡しました。切り抜いた写真では、右端の豚汁の器が少し欠けています。
比べたのは、Gemini Omni Flash(Google)、Seedance 2.0 と Seedance 2.5(ByteDance)、Grok Imagine Video 1.5(xAI)の4つです。同じ写真と同じ依頼文2種類で各1本ずつ、720pの縦動画を作りました。試したのは、どれも各社のAPI(開発者向けの窓口)です。
OpenAIのSora 2は、APIの提供が2026年9月に終わったので比べていません。
先に結論を書くと、この写真で試した中で、リールに使える完成度だったのはSeedanceです。湯気だけを頼んだ版で一番自然だったのは2.5で、2.0も湯気は薄めながら悪くありませんでした。GeminiとGrokは、一言だと箸が出てとんかつを持ち上げ、湯気だけに絞っても、Geminiは湯気が作り物っぽく、Grokは切り身が白く変色しました。
「おいしそうに動かして。」とだけ頼んだ4本で、左上がGemini、右上がSeedance 2.0、左下がSeedance 2.5、右下がGrok Imagine 1.5です。Geminiだけ10秒で返ってきたので、5秒にそろえるため2倍速にしています。
Geminiは、カメラがとんかつに寄っていき、途中で箸が出てきて1切れつまみ上げました。持ち上げた切り身は断面がピンク色で、切れ目もおかしくなり、元のとんかつと合わない形です。Grokはもっと直接的で、ピンク色の指先と箸が出てきて、断面が生っぽいピンク色の切り身をご飯の上へ運んでいます。
同じ並びで、各動画から1コマずつ抜き出したものです。右下のGrokは、持ち上げた切り身の断面がよく見えます。
断面が生っぽいピンク色のとんかつを、自分の晩ごはんとしてリールに上げられますか?
Seedanceの2本は、箸も手も出しませんでした。ただ2.0は、カメラが回り込みながら寄っていき、最後のほうでは切り身の数と並びが変わって、斜めに並んだ別の盛り付けに見えます。ポテトサラダの形も変わりました。2.5はとんかつ、キャベツ、豚汁へと次々に寄る食べ物のCMのようなカット割りで、寄ったとんかつは切り方と大きさが元と違います。
一言の依頼では、4つとも料理そのものか撮り方が変わりました。「おいしそうに」の中身を任せると、箸で持ち上げるか、カメラを動かすかのどちらかに寄る、と私は受け取っています。
湯気だけ動かすと、リールに使える動画になったAIはどれ?
次は、動かすのは湯気だけ、カメラは固定、料理と器は変えない、手や箸は出さない、と書いた依頼文で4本作り直しました。今度は4つとも手や箸を出さず、カメラも動かしていません。
湯気だけを頼んだ4本を、さっきと同じ並び(左上Gemini、右上Seedance 2.0、左下Seedance 2.5、右下Grok Imagine 1.5)で並べた動画です。Geminiは、こちらも2倍速です。
一番自然だったのはSeedance 2.5です。カメラも料理も器もほぼ元のままで、うっすら見える湯気が器のまわりからゆらゆら立ちのぼり、元の写真になじんでいます。Seedance 2.0も料理と器はほぼそのままで、まあまあいい出来でした。惜しいのは湯気が薄く、目立たないところです。
意外だったのはGeminiです。評価者が2本ずつ見比べて選ぶ Artificial Analysis の画像から動画のランキングでは、10月27日に見たとき、音声なしの部門で1位でした(音声ありの部門では4位)。それがこの写真では、白い湯気が渦を巻きながらキャベツと豚汁の上を流れていき、正直インチキ臭く見えます。頼んだご飯からの湯気が少ないのは、Seedance 2.5も同じでした。Grokは湯気こそ立ったものの、湯気がかかった一番上の切り身が、白く粉をふいたような色に変わっていきました。
同じ並びで、各動画から1コマずつ抜き出したものです。左上の湯気の渦と、右下の一番上の切り身の色を、元の写真と比べてみてください。
湯気が煙のように渦を巻いていたら、見た人は「できたて」と思ってくれるでしょうか?
ご飯と豚汁から湯気を立てる依頼文
4本とも、この文章をそのまま渡しました。
湯気だけを、ご飯と豚汁からゆっくり立ちのぼらせてください。カメラは動かさず、真上からの構図のままにしてください。とんかつ・ご飯・キャベツ・ポテトサラダ・からし・漬物・豚汁の量と形と色、器の位置、テーブルは変えないでください。人の手や箸、新しい料理や物は出さないでください。この依頼文で作り直した4本では、一言の版で箸を出したGeminiとGrokも、箸を出しませんでした。Seedanceの回り込みとカット割りもありません。
依頼文のどこを、自分のごはん写真用に書き換える?
湯気を立てたいのは、どの器ですか? 書き換えるのは次の3か所です。
「カメラは動かさず」「量と形と色」「人の手や箸、新しい料理や物は出さないでください」は、今回の4本で手や箸が出なかったときの書き方なので、残しておくのがおすすめです。縦動画にしたいなら、写真を先に9:16に切っておきます。今回は4つとも縦動画で返ってきました。Seedance 2.5は縦横比を指定できず、写真の比率に合わせて動画を作ります。
4つのAIの動画の長さ、待ち時間、1本の値段
費用はAPIで1本作ったときの額を、1ドル=150円で円にしたものです。Grokだけは、APIの応答に出た実際の額です。Seedanceは料金表の単価に幅があるので、幅のまま載せました。アプリで払う額とは別物です。
Seedanceは1本あたり数十円から200円弱でも、APIで2.0と2.5を使えるようにするには、30ドル(約4,500円)以上の前払いが要りました。試すだけのつもりでも、最初に払うのはこの額です。
待ち時間はGrokの約36秒が一番短く、Seedance 2.5は3〜4分かかりました。4つとも、動画には音が付いて返ってきました。長さを指定できなかったのはGeminiで、10秒で返ってきました。
5秒と10秒、あなたのリールにはどちらが合いますか?
AIで作った動画をリールに上げる前に、元の写真と見比べるところ
湯気だけの版でも、Grokのように切り身の色が途中から変わっていくことがあります。動き出しだけ見て安心せず、最後のほうのコマを元の写真と並べて確かめてください。見るのは次の5か所です。
- 切り身の数と並び(Seedance 2.0の一言の版はここが変わった)
- 断面と衣の色(GeminiとGrokは断面がピンク、Grokの湯気の版は切り身が白く変色)
- 湯気の見え方と出どころ(Geminiは湯気が渦を巻き、キャベツと豚汁の上を流れた)
- 器の位置と、ポテトサラダのように形が崩れやすい料理
- カメラが寄ったり、回り込んだりしていないか
今回は、どの依頼文も1回ずつしか試していません。同じ依頼文でも、頼み直せば別の動画が返ってくることはあります。
カメラロールの中で、湯気が立っていたらもっとおいしそうだった1枚はどれですか? 湯気を立てる料理と写っている料理の名前だけ書き換えて1本作り、最後のコマを元の写真と並べてから、リールに上げてください。



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