静止画は狙い通りに出せるのに、動かした瞬間に想像と違うほうへ行く。
動画生成でいちばん消耗するのは、たぶんここです。
Gemini Omni 1.1 Flashなら、始まりの絵と終わりの絵の2枚を置くだけで間はモデルが埋めてくれるうえに、コードは1行も書きません。
写真2枚を置くだけで動画になる、正体はGemini Omni 1.1 Flash
Googleが2026年8月27日に出した、動画生成モデルの正式アップデートです。
名前を見て「7月にGoogle Vidsへ入ったやつでしょ」と思った人がいるかもしれませんが、あれは会話しながら動画を直す機能の話。
今回はモデル本体のバージョンが1.1に上がったという、別の出来事です。
追加された目玉が、ショットの始まりと終わりのフレームを指定できるようになったこと。
Googleの説明も「ショットの開始フレームと終了フレームを指定することで、なめらかなトランジションとカメラの動きを実現する」と、そのままの言い方をしています。
触れる場所は4つあって、Google AI Studio、Gemini API、Gemini Enterprise Agent Platform、そしてGoogle Flowです。
最初の3つは開発者と企業向けなので、ここではFlowだけを使います。
画面をクリックするだけで終わります。
開始フレームと終了フレームを決めるとは、何を決めることなのか
これまでの画像から動画への変換は、出発点の1枚を渡して、あとはプロンプトで祈る作業でした。
「ゆっくり右にパンして」と書いても、どこで止まるかはモデルの気分次第です。
始点と終点を両方固定すると、この構造が変わります。
モデルに残された仕事は「間をどうつなぐか」だけになる。
ゴールが決まっている道の、歩き方だけを指示する状態です。
つまりプロンプトに書く内容が、「どこへ向かうか」から「どう向かうか」に切り替わります。
ここが一番おいしいところで、行き先を言葉で説明する必要がなくなる。
行き先はもう画像で渡してあるからです。
言語化が要らなくなるわけではありません。
言語化する対象が「変化の道筋」1点に絞られる、という話です。
Google Flowで開始フレームと終了フレームを置く手順
Flowの日本語表示そのままで書きます。
- プロジェクトのプロンプトボックスで、モデル名をクリックする
- 「動画」を選び、続けて「フレーム」を選ぶ
- 用意した画像を「開始フレームを追加」と「終了フレームを追加」にドラッグする
- プロンプトに、2枚の間で起きるアクションとトランジションを書く
- 動画設定を選んで「生成」を押す
以上です。
コードもJSONも出てきません。
長さは4秒、6秒、8秒、10秒から選べます。
Veo 3.1系は8秒までなので、10秒が選べるのはOmni Flash側の利点です。
変化の幅が大きい2枚を渡すときは、迷わず長いほうを選んだほうがきれいにつながります。
フレームのメニューだけ見ると、Veo 3.1系でも同じことができます。
ただ、アップロードした動画にプロンプトを当てて直す「動画から動画への編集」はOmni Flashだけの機能で、Veo 3.1のどれを選んでも出てきません。
作った1本をあとから直したくなる可能性があるなら、最初からOmni Flashで作っておくほうが楽です。
トランジション動画の作り方、フレーム2枚で組める4つの型
手応えのあった型を4つ置いておきます。
プロンプトはそのままコピーして、被写体だけ差し替えれば動きます。
どの型でも準備は同じで、縦横比を揃えた2枚と、両方に共通して写っているものを1つ用意します。
1. 片付け前と後をつなぐビフォーアフター
用意する2枚は、散らかった机と、片付いた同じ机。
三脚を立てたまま2回撮るのがコツです。
カメラは固定したまま動かさない。机の上の物が少しずつ消えていき、
最後には何もない天板だけが残る。照明と時間帯は変えない。「カメラは固定」を書き忘れると、勝手に寄ったり引いたりして別の絵になります。
2. 引きの絵から寄りの絵へ、ズームリビール
部屋全体の写真を開始フレーム、商品のアップを終了フレームに置きます。
カメラがゆっくり前進しながら、棚の上のマグカップに寄っていく。
速度は一定。途中でパンやチルトはしない。守るべき条件が1つ。
終了フレームに写っているものが、開始フレームの中にも写っていることです。
写っていない物には寄れません。
3. 昼から夜へ、時間だけが動くカット
同じ構図で撮った昼と夜の2枚を使います。
片方しかない場合は、画像生成AIで時間帯だけ差し替えた1枚を作れば済みます。
構図はそのまま。太陽が沈み、空の色が青からオレンジ、そして紺へ変わる。
窓の明かりが一つずつ灯っていく。カメラは動かさない。4. 同じ画像を両端に置くシームレスループ
開始フレームと終了フレームに、まったく同じ画像を入れます。
被写体を中心に、カメラがゆっくり一周する。最後は開始と同じ位置に戻る。終わりが始まりと同じ絵なので、繰り返し再生しても切れ目が見えません。
ショート動画の背景や配信の待機画面が、これ1本で片付きます。
直前10秒を覚えている、開始フレームと終了フレームの次に効く機能
もう1つ大きく変わったのが、動画の続きを作る側です。
1.0は続きを生成するとき、直前1秒しか見ていませんでした。
1.1は直前10秒まで読みます。
10秒ずつ足していけて、累計40秒まで伸ばせる。
参照範囲が1秒から10秒になると何が嬉しいかというと、続きを作っても人物の顔や服、照明の当たり方がブレにくくなります。
1秒だけ見て次を描くのは、前のコマだけ見て漫画を描き足すようなもの。
10秒あれば、そのシーンの空気ごと引き継げます。
ただし、ここは正直に書いておきます。
Flowのモデル対応表を見ると、Gemini Omni Flash 1.1の「動画を拡張する」は執筆時点で「近日中にリリース予定」のまま。
Flowの画面でいま動画を伸ばしたいなら、Veo 3.1 Liteを選ぶことになります(こちらは8秒のみ)。
40秒のシーン拡張を今すぐ触りたければAI Studio側へ、ノーコードのまま待つならFlowの実装待ち。
そういう分かれ方です。
うまくつながらない時、開始フレームと終了フレームのどこを直すか
つながらない生成には、だいたい3つのどれかが起きています。
- 2枚に共通するものが少なすぎる。被写体か構図か、どちらかは必ず揃える。両方変えてしまうと、間をつなぐ手がかりがモデルの側に残りません
- 秒数が足りていない。変化の大きい2枚を4秒に押し込むと、早送りのような絵になります。迷ったら10秒
- プロンプトに「何が変わるか」しか書いていない。変わることは2枚を見れば分かるので、書くべきは「どう変わるか」の道筋です
そして試行回数の話。
Flowは無料でも1日50クレジットもらえて、Gemini Omni Flashの消費は4秒で15、6秒で20、8秒で25、10秒で30クレジットです。
無料枠なら4秒を1日3本。
型を試すには足ります。
もっと回したくなったら、Google AI Plusが月725円で200クレジット、Proが月2,900円で1,000クレジット。
10秒を毎日1本作り続けても、Proなら月の枠を使い切りません。
まとめ 開始フレームと終了フレームに同じ1枚を置いてみる
4つの型のうち、最初に試すなら断然ループです。
用意する画像は1枚でいい。
開始フレームと終了フレームに同じものを入れて、「被写体を中心にゆっくり一周する」と書くだけ。
失敗しようがないうえに、出来上がったものはそのままSNSで使えます。
結局この機能でやっているのは、2枚の絵を選ぶことと、間の道筋を一言で書くこと。
それだけです。
センスの話ではなく、やっぱり言語化の話でした。



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